倉三の証言によって、当日水野の家に参集した筈の人物は全部個別的に取調べをうけたが、彼らの全ては、当日たしかに水野家へ参集したことをアッサリ認めたばかりでなく、酒宴となって夜更けまで酒をのんだこと、左近と久吉がその専用室へ立ち去って、そのとき厚い板戸は左近の手で閉じられて直ちに内側からカンヌキをかける音がハッキリきこえたこと、とりのこされた四名の男とミネは各自ミネに手伝って部屋の食事を片づけて、終ってミネが部屋を掃きだしてから五名の寝床をしいたこと、板前の職人だった常友が甚だ熱心に食器洗い等に立ち働いて甚だしくミネの感謝をかい、出前持の幸平はそれが目下の本職であるにも拘らず手伝いに加わらないので、
「だから、お前は……」
と、ミネに云われた。