由也の話では彼が手で三枝子さんの首をしめて自然に殺してしまい、由也がようやく手燭の灯をつけてフトンをのけてみると、時田さんは眠りこけているし、三枝子さんは死んでいたと云うのだそうです。
由也は茫然として長い失心状態の後に、とにかく時田さんをゆり起したと云いますが、そう云われると、たしかになんとなく思い当るし、自分の腕には三枝子さんにひッかかれたらしいカスリ傷もあるし、彼の言を信ぜざるを得なかったそうです。
すると由也は、君が殺したとなると自分も父に叱られて困ったことになるから、父の秘蔵の品物をわって三枝子が失踪したようにしよう。