オタツの方はカモ七の母親に散々からかわれ、おまけに野良帰りの足を洗っていたカモ七の父に足を洗った水をぶッかけられたので、オタツは赤々とふくれ上って、近くにあった火吹竹を一握りするやカモ七の親父の頭を十あまりぶッて、ノビたのを近所のタンボまで運んで投げこみ、その頭から肥をかけた。
村の者が相談の結果、二人風変りの恋人を一しょにさせて、遠い山腹の痩せ地を与えたが、オタツは力に物を云わせ木をぬき肥料をかつぎあげ、立派な畑にしあげて村人をアッと云わせ、二人の生活は至って平和であった。
もっとも一週のうち一度や二度は突きとばされたり殴られたりしてカモ七がノビたり、顔を腫らしたり、骨を折ったりしたが、カモ七の骨は粘り気が強いらしく、じき治ってしまう。