もっとも一週のうち一度や二度は突きとばされたり殴られたりしてカモ七がノビたり、顔を腫らしたり、骨を折ったりしたが、カモ七の骨は粘り気が強いらしく、じき治ってしまう。
山腹の畑の方にも小屋をつくって、忙しくなるとオタツは山小屋にこもったが、留守番のカモ七は朝と夕方山へ食べ物を運ぶついでに、トリイレのムギやイモをいくらか運び下す程度で、日中と夜間は何もしない留守番だった。
その期間山と下で別々にくらす二人が人に分らぬ秘密の生活をしていたにしても、山小屋は遠く離れていて、ただ歩くだけでも現場から四十分以上はタップリかかるし、ウスノロで非力のカモ七に気のきいた犯罪はできそうにもない。