その期間山と下で別々にくらす二人が人に分らぬ秘密の生活をしていたにしても、山小屋は遠く離れていて、ただ歩くだけでも現場から四十分以上はタップリかかるし、ウスノロで非力のカモ七に気のきいた犯罪はできそうにもない。
菅谷はどうしても何か秘密があるし、誰かが殺したに相違ないと思ったが、本署の方では一方は酔っての過失死であるし、他方は牛が犯人だときめて動く様子がないし、いくら考えても自分の力では謎が解けそうもない。
そこで上京のツイデに思いきって結城新十郎を訪ね、今までのことをみんな語って判断をもとめた。