しかるに、昨夕以来にわかに発作が起り、前回とちがって、今回は狂暴であった。
彼は日本刀を握り、シノブ夫人に心中を追って、逃げるを追いかけ、とめに入る侍女や使用人の男たちをも一様に斬り殺しかねなかった。
シノブ夫人の父、須和康人、また大伴家歴代の家老の家柄で今もって大伴家の相談役についている久世喜善、及び叔父晴高が参集して主治医小村とともにいろいろの策を試みたが、いくらかでも静かに言葉を交す気持になるのは、叔父晴高に対してだけで、それも長くは続かなかった。
しかるに、昨夕以来にわかに発作が起り、前回とちがって、今回は狂暴であった。
彼は日本刀を握り、シノブ夫人に心中を追って、逃げるを追いかけ、とめに入る侍女や使用人の男たちをも一様に斬り殺しかねなかった。
シノブ夫人の父、須和康人、また大伴家歴代の家老の家柄で今もって大伴家の相談役についている久世喜善、及び叔父晴高が参集して主治医小村とともにいろいろの策を試みたが、いくらかでも静かに言葉を交す気持になるのは、叔父晴高に対してだけで、それも長くは続かなかった。