兄はエンマの誰かに顔見知りが居るだろうか。
書斎に閉じこもっているばかりで、華族同士のツキアイなどに出たこともなく形式的な式や賀宴にはたいがい叔父や久世喜善が代理ですましているから、ひょッとすると親族代表のような大殿様の顔なぞも忘れているかも知れない。
エンマの顔を一ツずつ吟味して兄が何を発見したかはその顔に表れなかったが、兄は何かを会得した如くに素晴らしい顔附をした。
兄はエンマの誰かに顔見知りが居るだろうか。
書斎に閉じこもっているばかりで、華族同士のツキアイなどに出たこともなく形式的な式や賀宴にはたいがい叔父や久世喜善が代理ですましているから、ひょッとすると親族代表のような大殿様の顔なぞも忘れているかも知れない。
エンマの顔を一ツずつ吟味して兄が何を発見したかはその顔に表れなかったが、兄は何かを会得した如くに素晴らしい顔附をした。