彼女は一般の手術室で他の貴婦人と同様な術はうけませんでしたが、自分ひとりのための寝室の中へ、皆さんの美人術に用いるものの何倍もあるような手術用の寝台を持ちこんで、それを自分だけで使用していた形跡はあったと留守番の老人は申しているのです。
ですから、他の人々がうけた施術は玉の肌を荒す目的の美人術でしたが、彼女のうけた施術だけはホンモノの美人術で、彼女の推賞には秘密の真実を白状している本音も含まれているのかも知れません」
「もしもそれが事実でしたら、大伴夫人はさらに益々美しくなる貴重な女神を失ったようなものではございませんか。