だが、舟久がこう云ってすすんで秘密をうちあけたときの目つきを見ると、この老いぼれも曲者だぞ、と気のつく者もあった。
八十すぎの老いぼれだってモーロクジジイとは限らない。
他のことには枯れて邪念のない心境になっていても、一生深く根を結んでいるこれ一ツという妄執だけは益々深まって、その妄執の鬼のようなジジイができあがることはあるし、モーロクして世間への気兼ねを失うにつれて悪企みだけは益々誰に気兼ねもなくマムシの巣のようにもつれた妄執でこりかたまったジジイも居るものだ。
だが、舟久がこう云ってすすんで秘密をうちあけたときの目つきを見ると、この老いぼれも曲者だぞ、と気のつく者もあった。
八十すぎの老いぼれだってモーロクジジイとは限らない。
他のことには枯れて邪念のない心境になっていても、一生深く根を結んでいるこれ一ツという妄執だけは益々深まって、その妄執の鬼のようなジジイができあがることはあるし、モーロクして世間への気兼ねを失うにつれて悪企みだけは益々誰に気兼ねもなくマムシの巣のようにもつれた妄執でこりかたまったジジイも居るものだ。