酔っ払いをねむらせておいて一時間ぐらい遊んできて再びもみつづけてもたいがいは分るものではないのです。
もっとも、一部分だけもんで手をぬくと、敏感なお客には目がさめてのち、もまれたところと、もまれないところがハッキリ区別がつくそうですが、角平は再び戻ってきて、それからタップリ二時間ももんでいたのですから、妙庵は彼が中座したことを全然気がついていないのです。
角平は非常に巧妙に自分がメクラであることを利用して事を行いましたが、あんまり巧みにやりすぎたので、犯人はメクラであろうという証拠まで残してしまった始末なのでした。