各村の社寺等の古文書を差しだすようにというお達しによりまして、庄屋の会合がありました折に、オーカミイナリのことまで考えたものはなかったのですが、蛭川さんがそれを言いだされまして、この機会に天狗の系図を見てやろうじゃないか。
オレが直々借り出しに出かけるから、天狗が安心して古文書を差出すように官印のついた借用書を用意してくれというわけで、番頭の定助も従って行ったと思いますが、村役人の従者も二人ついて行ったのです。
事面倒と思いのほか、全国的な古文書調査ときいて、天狗は大喜び、進んで多くの文書を貸し渡すような大乗気であったそうです。