夏目漱石 『こころ』 私は挨拶をして格子の外へ足を踏み出した。 玄関と門の間にあるこんもりした木犀の一株が、私の行手を塞ぐように、夜陰のうちに枝を張っていた。 私は二、三歩動き出しながら、黒ずんだ葉に被われているその梢を見て、来たるべき秋の花と香を想い浮べた。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア