玄関と門の間にあるこんもりした木犀の一株が、私の行手を塞ぐように、夜陰のうちに枝を張っていた。
私は二、三歩動き出しながら、黒ずんだ葉に被われているその梢を見て、来たるべき秋の花と香を想い浮べた。
私は先生の宅とこの木犀とを、以前から心のうちで、離す事のできないもののように、いっしょに記憶していた。
玄関と門の間にあるこんもりした木犀の一株が、私の行手を塞ぐように、夜陰のうちに枝を張っていた。
私は二、三歩動き出しながら、黒ずんだ葉に被われているその梢を見て、来たるべき秋の花と香を想い浮べた。
私は先生の宅とこの木犀とを、以前から心のうちで、離す事のできないもののように、いっしょに記憶していた。