「人に盗まれる筈のないものだと思うが、お前の記憶ちがいじゃないか」
こう云われて政子は気色ばみ、あわや兄妹の喧嘩になりかける形勢に、年功の周信、これはマズイと悟ったらしく、にわかに切りあげて、三人組は荷車と一しょに引き上げてしまったのである。
久五郎と小花は今はのこされた唯一のもの、芝の寮へ移りすんだ。
「人に盗まれる筈のないものだと思うが、お前の記憶ちがいじゃないか」
こう云われて政子は気色ばみ、あわや兄妹の喧嘩になりかける形勢に、年功の周信、これはマズイと悟ったらしく、にわかに切りあげて、三人組は荷車と一しょに引き上げてしまったのである。
久五郎と小花は今はのこされた唯一のもの、芝の寮へ移りすんだ。