生れたときから十一二まで乳母として附きそってくれた杉山シノブという老女が公爵家での新婚生活を案じて婚家へついてきてくれた。
それが脅迫の秘密をうちあけた唯一の相談相手で、お金を渡す使者の役目も果してくれるのだが、二千円の金策では例外なく苦労がつきまとい、いつも二人の胸をいためる問題だった。
いっそ全部一まとめに売ってくれさえすれば、十万円でも二十万円でも構わない。
生れたときから十一二まで乳母として附きそってくれた杉山シノブという老女が公爵家での新婚生活を案じて婚家へついてきてくれた。
それが脅迫の秘密をうちあけた唯一の相談相手で、お金を渡す使者の役目も果してくれるのだが、二千円の金策では例外なく苦労がつきまとい、いつも二人の胸をいためる問題だった。
いっそ全部一まとめに売ってくれさえすれば、十万円でも二十万円でも構わない。