また労働時間の長短について考えると、両眼をえぐったり両耳と鼻をそぎ落す作業はその全部を合計してもものの五分間とかからぬ程度でしょう。
すると、顔のどこかにゴマカシの主点がある場合に、顔の特徴を取り除き、またゴマカシの手を加えても五分間ですむのに、その御相伴として全身バラバラの大作業を加えて、わずかばかりゴマカシの引立て役とするのは、普通人のよくなしうることではありますまい。
全身バラバラのこの手数のこんだ作業と、それに伴う危険を考えると、それ相応の必然性があるべきで、顔の造作をごまかす程度の目的のためにこれだけの時間と危険を賭けることは有り得ないと見るべきでしょう。