夏目漱石 『こころ』 私は夏郷里に帰って、煮え付くような蝉の声の中に凝と坐っていると、変に悲しい心持になる事がしばしばあった。 私の哀愁はいつもこの虫の烈しい音と共に、心の底に沁み込むように感ぜられた。 私はそんな時にはいつも動かずに、一人で一人を見詰めていた。 夏目漱石の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア