「ああ太陽よ」とか「おお生命よ」とか、まあそういったことを喚きながら、俺は何分あまりにも興奮して酒倉を走り出るものだから、つい亦ペンペン草に足をとられて大概は四ん這いになり畢り、酒は実に灰色じゃよ、俺は頑としてそれを好まんよなどと叫びながら這い出してゆくのだった。
すると酒倉の亭主は――先刻御承知の瑜伽行者だが――ペンペン草の間から垣間見える俺の尻を見送りながら、「木枯が吹いたら又おいでよ」と、ニタニタと笑うのだ、「木枯が吹いたら又おいでよ」と、ね。
まことに木枯と酒と俺は因果な三角関係を持つものである――木枯は、恰も俺の活力を刺し殺すように酒倉のペンペン草を枯してしまうのだ。