ゆらめく靄はするりと縮んで忽ちに一つの塊におさまったと思ううちに不思議な香気が鼻にまつわったような気がしたが、ばかに一面が気持よく澄み渡ったようだと思いついた時には、もう目の向うに波羅門の銅色の娘が綺麗な裸体でねそべっているのを見出していた――娘はひどく自由な、物なれた物腰でゆるやかに立ちあがると、すぐ自分の横にそびえたつ魁偉なる尻の塔を眺めていたが(べつにおかしくはないとみえて、俺のようにゲタゲタと笑いくずれやしないのだ)、やがて、ひどく懐かしい表情をすると、恋人を抱くように行者の頸に手をやって、蛇のような腕をするするとまわした……
ああ!
酒は憎むべき灰色だ!