坂口安吾 『おみな』 私は泳ぎがうまく、蛤や浅蜊を拾う名手であった。 十二、三の頃の話だ。 夏も終りに近い荒天の日で、町にいても海鳴りのなり続く暗澹たる黄昏時のことであったが、突然母が私を呼んで、貝が食べたいから海へ行ってとって来てくれと命じた、或いはからかったのだ。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア