ヒステリイ甚しい老婆で、不運つづき、気の毒な人だと思い、僕は腹が立たなかった。
いいえ辰夫は全快しているのですよなどとでも言うものなら、実に深刻に怯えきって僕をみつめ、こいつも気違いだ、と疑ぐりだすから、ヤア、それはどうもお気の毒でした、では本日は之まで、と戻ってくる。
檻の中の辰夫は家族の愛情を空想せずには生きられぬ。
ヒステリイ甚しい老婆で、不運つづき、気の毒な人だと思い、僕は腹が立たなかった。
いいえ辰夫は全快しているのですよなどとでも言うものなら、実に深刻に怯えきって僕をみつめ、こいつも気違いだ、と疑ぐりだすから、ヤア、それはどうもお気の毒でした、では本日は之まで、と戻ってくる。
檻の中の辰夫は家族の愛情を空想せずには生きられぬ。