之が嘘だということを辰夫もやがて気付いたが、彼自身とてこの夢をくずしては破滅だから、そう、と一言頷くだけ、強いて訊ねることはなかった。
けれども辰夫の身にすれば、家族の愛、これだけが唯一の夢。
僕のそぶりから家族の冷めたさをさとるにつけて、彼の心は一そう激しく母の愛を祈りはじめる。
之が嘘だということを辰夫もやがて気付いたが、彼自身とてこの夢をくずしては破滅だから、そう、と一言頷くだけ、強いて訊ねることはなかった。
けれども辰夫の身にすれば、家族の愛、これだけが唯一の夢。
僕のそぶりから家族の冷めたさをさとるにつけて、彼の心は一そう激しく母の愛を祈りはじめる。