老いては子に従えというアキラメと忍従の心境は、子供自慢の心境などから発して自発的に生まれ深まるところにそれに耐える力もあるのだが、配給量という甘やかしようのない規定で「お前はゴクツブシである」という抜きさしならぬ審判を押しつけられては、ヒガマざるを得ない。
自発的な忍従やアキラメの代りに、親の恩を売り物にし、不信をのろうイヤガラセの心境の黒雲の如くに生じたのはフシギではなかろう。
戦後特に子にすてられる親の問題が多くなったのは民主主義が子に味方して親を棄てやすくしたというよりも、親の方に忍従の心境がうすれてヒガミが多くなり、親子のマサツが多くなったせいだろうと私は思う。