坂口安吾
「文芸」二月号所載、アンドレ・ジイドの「一つの宣言」は興味深い読物であった。
ドストエフスキーが、又偉大なる作家達が全てそうであったように、習慣的な人間観に抗して、人間の絶えざる再発見に努めてきたジイドは、ソヴエート聯邦に於て制度が人々を解放したばかりでなく、とうとう人間そのものを革めつつある事実に直面して、人間の発見もしくは改革が個人的な懊悩や争闘から獲られるばかりでなく、制度の変革からも獲られることを率直に認めたのである。
坂口安吾
「文芸」二月号所載、アンドレ・ジイドの「一つの宣言」は興味深い読物であった。
ドストエフスキーが、又偉大なる作家達が全てそうであったように、習慣的な人間観に抗して、人間の絶えざる再発見に努めてきたジイドは、ソヴエート聯邦に於て制度が人々を解放したばかりでなく、とうとう人間そのものを革めつつある事実に直面して、人間の発見もしくは改革が個人的な懊悩や争闘から獲られるばかりでなく、制度の変革からも獲られることを率直に認めたのである。