彼の書く主人公は惚れないうちから諦めているというような、然しそんな尤もらしい恋愛事情なぞとは無関係に、もともと恐ろしい孤独感の中にいる。
去年「紀元」に発表した「鋸の音貧し」という作品の中で、主人公は隣の部屋から洩れてくる愛すべき若夫婦者のなんでもない話声をきいているうちに、むろんそれが原因ではないが、急にふらふら立ち上り、縄を吊してどうやらもぞもぞと首をくくろうとしはじめる。
どうも読んでいてその重苦しい漠然たる人生苦がやりきれなくなるのだった。
彼の書く主人公は惚れないうちから諦めているというような、然しそんな尤もらしい恋愛事情なぞとは無関係に、もともと恐ろしい孤独感の中にいる。
去年「紀元」に発表した「鋸の音貧し」という作品の中で、主人公は隣の部屋から洩れてくる愛すべき若夫婦者のなんでもない話声をきいているうちに、むろんそれが原因ではないが、急にふらふら立ち上り、縄を吊してどうやらもぞもぞと首をくくろうとしはじめる。
どうも読んでいてその重苦しい漠然たる人生苦がやりきれなくなるのだった。