意気当るべからざる空論家と、強制に服することを処世の急所と会得している天性の諦め人とが同一の人間であるとは、それを理窟で納得し、悟りすまそうと思っても、なかなかそうはいかないものだ。
焼けてから六年目のバラック都市よりも焼け残った都市の庶民住宅がもっと暗く貧寒だという発見は、それほど異様きわまる狼狽を与えるものであった。
私は日本が戦争に負けるまで、自分がこれほど日本を愛しているということを知らなかった。
意気当るべからざる空論家と、強制に服することを処世の急所と会得している天性の諦め人とが同一の人間であるとは、それを理窟で納得し、悟りすまそうと思っても、なかなかそうはいかないものだ。
焼けてから六年目のバラック都市よりも焼け残った都市の庶民住宅がもっと暗く貧寒だという発見は、それほど異様きわまる狼狽を与えるものであった。
私は日本が戦争に負けるまで、自分がこれほど日本を愛しているということを知らなかった。