焼けてから六年目のバラック都市よりも焼け残った都市の庶民住宅がもっと暗く貧寒だという発見は、それほど異様きわまる狼狽を与えるものであった。
私は日本が戦争に負けるまで、自分がこれほど日本を愛しているということを知らなかった。
国やぶれて山河あり、とはまさしく私の感慨でもあったが、八月十五日に敗戦を確認したとき、それが四年前の十二月八日の日から確信していた当然の帰結であったにも拘らず、
焼けてから六年目のバラック都市よりも焼け残った都市の庶民住宅がもっと暗く貧寒だという発見は、それほど異様きわまる狼狽を与えるものであった。
私は日本が戦争に負けるまで、自分がこれほど日本を愛しているということを知らなかった。
国やぶれて山河あり、とはまさしく私の感慨でもあったが、八月十五日に敗戦を確認したとき、それが四年前の十二月八日の日から確信していた当然の帰結であったにも拘らず、