天然資源的に見れば取り代えるオシメにも事欠く程度の素寒貧だし、持てる五反の畑も人里はなれて山のテッペンに近いような、もしくは湖水の中の小島のような不便なところに孤立して細々と貧乏ぐらしを立てている。
気のきいた泥棒も、気のきかない泥棒も、そんなところへ物を盗みに行くはずがないじゃないか。
しかるにそこの貧乏オヤジは泥棒きたるべしとダンビラを買いこみ朝な夕なネタバをあわせ、そのために十八人の子供のオマンマは益〻半減し、豊富なのは天井のクモの巣だけ、そのクモの巣をすかして屋根の諸方の孔から東西南北の空が見えるという小屋の中でダンビラだけ光ってやがる。