翌朝山間の小駅に下車して、ぽろぽろと零れた十人ばかりの人々と屋根もないプラットフオムに取り残されてみると、思ひがけない龍然の姿が出迎へに出てゐた。
彼は草鞋を履き、裃のやうな古めかしい背広服に顔色の悪い丸顔を載せて、零れた人々を一人づつ甜めるやうな格巧をしながら、よろよろと彼を探し廻つてゐた。
やがて龍然は彼を認めて、五六間離れたところから片手にぶら下げた何か細長い物をクルクル振り廻しながら、ぼつぼつと歩み寄つてきて「いやあ――」と言つた。
翌朝山間の小駅に下車して、ぽろぽろと零れた十人ばかりの人々と屋根もないプラットフオムに取り残されてみると、思ひがけない龍然の姿が出迎へに出てゐた。
彼は草鞋を履き、裃のやうな古めかしい背広服に顔色の悪い丸顔を載せて、零れた人々を一人づつ甜めるやうな格巧をしながら、よろよろと彼を探し廻つてゐた。
やがて龍然は彼を認めて、五六間離れたところから片手にぶら下げた何か細長い物をクルクル振り廻しながら、ぼつぼつと歩み寄つてきて「いやあ――」と言つた。