流れ込む汗を喰べながら、一種の泥酔状態に落ちて、其処へらの岩陰にへたへたと崩れたならもうそれなりにどうなつても構はない、自分の身体を人の物程も責任を持つ気がなくて、やりきれない自暴自棄で明るい空を仰ぐと、自分といふ一個の存在がみぢめで懐しくて堪らないのだ。
山路へかかつてものの一里と行かぬ頃から、凡太は已にそんな泥酔状態に落ちてゐたが、不健康な色をした龍然は、しかし馴れてゐると見えて、初めからたどたどしい足取りのまま乱れを見せないのであつた。
連のあることをもはや忘れつくしてゐるもののやうに、沈黙を載せてぽくぽく辿つてゐた。