思へばあれは、長い距離の丁度中頃に当る辺りであつたに違ひない、何か目印でもあるのであらう、龍然は突然谷川の曲点を指し示してあそこで休もうではないかと言ひ出した。
見下せば、水音はきこえるが、水の色さへ定かには目に映らない深い深い谷であつた。
急峻な藪を下る時ひとたび足を滑らしたならば危険極まるものであるし、降りるには降りても、又登る時の苦痛を考へたなら、なまなかの休息には楽しみを予想する気持にもならないのであつた。
思へばあれは、長い距離の丁度中頃に当る辺りであつたに違ひない、何か目印でもあるのであらう、龍然は突然谷川の曲点を指し示してあそこで休もうではないかと言ひ出した。
見下せば、水音はきこえるが、水の色さへ定かには目に映らない深い深い谷であつた。
急峻な藪を下る時ひとたび足を滑らしたならば危険極まるものであるし、降りるには降りても、又登る時の苦痛を考へたなら、なまなかの休息には楽しみを予想する気持にもならないのであつた。