谷底の木暗いしじまで握飯を食べ終ると、龍然は凡太にもすすめておいて、自分は平たい岩塊の上へ仰向けに寝転び、やがて深い睡りに落ちてしまつた。
肋骨や手足の関節が目立つて目に泌みるその不健康な裸体を見てゐると、まるで痩衰へた河鹿が岩にしみついてゐるやうにしか思へないのであつた。
魂などといふものは勿論、およそ「生きてゐる」といふ何等かの証拠を、まつたく何処にも見出すことの出来ない残骸といふ気がした。
谷底の木暗いしじまで握飯を食べ終ると、龍然は凡太にもすすめておいて、自分は平たい岩塊の上へ仰向けに寝転び、やがて深い睡りに落ちてしまつた。
肋骨や手足の関節が目立つて目に泌みるその不健康な裸体を見てゐると、まるで痩衰へた河鹿が岩にしみついてゐるやうにしか思へないのであつた。
魂などといふものは勿論、およそ「生きてゐる」といふ何等かの証拠を、まつたく何処にも見出すことの出来ない残骸といふ気がした。