それは、角帯に頭を商人風に当つた、一見どこやらの番頭といふ風態の小男であつた。
二人の男女は早口に何か二三受け答へしてゐたかと思ふうちに、由良は間もなくさつさと男から離れて凡太の方へ近寄つて来たが、その顔には気の抜けきつて感情といふもののまるで無い白さを漂はして、ぢつと凡太と向き合はせた。
「さよなら……」
それは、角帯に頭を商人風に当つた、一見どこやらの番頭といふ風態の小男であつた。
二人の男女は早口に何か二三受け答へしてゐたかと思ふうちに、由良は間もなくさつさと男から離れて凡太の方へ近寄つて来たが、その顔には気の抜けきつて感情といふもののまるで無い白さを漂はして、ぢつと凡太と向き合はせた。
「さよなら……」