――そのうちに、女中も踊りから帰つて、賑やかな足取りを金比羅山の山つづきのやうに土間の中へ躍り込ませて来たが、すると、直ぐそのうしろからのこのこと頸を突き入れた小男を見て、凡太は愕然とした。
それは疑ひもなくあの女衒で。
――女衒は上框に腰を下して片足を膝に組みながら、鋭く凡太に一瞥を呉れたが、すぐに目を背らしてそ知らぬ顔をつくり、二階へ上つた女中に向いて「もう上つてもよいのか」と、ひどく冷い横柄な言葉を投げた。
――そのうちに、女中も踊りから帰つて、賑やかな足取りを金比羅山の山つづきのやうに土間の中へ躍り込ませて来たが、すると、直ぐそのうしろからのこのこと頸を突き入れた小男を見て、凡太は愕然とした。
それは疑ひもなくあの女衒で。
――女衒は上框に腰を下して片足を膝に組みながら、鋭く凡太に一瞥を呉れたが、すぐに目を背らしてそ知らぬ顔をつくり、二階へ上つた女中に向いて「もう上つてもよいのか」と、ひどく冷い横柄な言葉を投げた。