由良とも友達になつてゐるのだから、二人打ち連れて遊びにおしかけて来はしないかと、凡太はそれとなく待ち構えてゐたが、別に来るやうなこともない、龍然はあの夜のことを知らないのであらうかとある日訊ねてみたところが、ああ、さうさう、さういふ話をきいてゐた、君によろしく伝へてくれと言ふことだつた、いよいよ俺達も別れることに決つてね、なぞと落ついた返事だつた。
「あの女は別に女衒と一緒に東京へ行かなくとも良いのだから、君さへ邪魔でなかつたら、君の帰る時あれも一緒に連れてつて貰ひたいと言つてゐたよ。
東京に知り合があると思へば心強く暮せることだらうからね。