流石にその日龍然は、息の乱れを収めてもとの顔付にもどるまで十数歩の歩行を要したが、それも収まると、また超然とした残骸に還元して、一方の足は跣にしたまま長い坂道を傾きながら歩いた。
凡太は何とも言へぬ寂漠を感じて、君、足は痛まないのかと訊いてみるにも言葉はもはや不用なものに考へられ、胎内に充満してくる空虚を味得した。
もう山は秋が深い。
流石にその日龍然は、息の乱れを収めてもとの顔付にもどるまで十数歩の歩行を要したが、それも収まると、また超然とした残骸に還元して、一方の足は跣にしたまま長い坂道を傾きながら歩いた。
凡太は何とも言へぬ寂漠を感じて、君、足は痛まないのかと訊いてみるにも言葉はもはや不用なものに考へられ、胎内に充満してくる空虚を味得した。
もう山は秋が深い。