もう明るい太陽が、それでも尚朝の潤ひを帯びて、張りつめるやう山一杯にかんかんと照り、二人を汗にぐつしより濡らした。
停車場へ着いて暫くすると乗合自動車も後から来て、由良は大きな行李を抱えながら待合所へ崩れ込んだ。
その時の疲労で喉が塞がるもののやうに粧ほひながら、わざとはあはあと大息をして、実は空虚な白い気持で喋る気にもならぬのを、笑ひ顔で胡魔化してゐたが、笑ひ顔もひとりでに収まると、放心した顔を窓の外へぢつと見やつて、坐らうとさへしなかつた。
もう明るい太陽が、それでも尚朝の潤ひを帯びて、張りつめるやう山一杯にかんかんと照り、二人を汗にぐつしより濡らした。
停車場へ着いて暫くすると乗合自動車も後から来て、由良は大きな行李を抱えながら待合所へ崩れ込んだ。
その時の疲労で喉が塞がるもののやうに粧ほひながら、わざとはあはあと大息をして、実は空虚な白い気持で喋る気にもならぬのを、笑ひ顔で胡魔化してゐたが、笑ひ顔もひとりでに収まると、放心した顔を窓の外へぢつと見やつて、坐らうとさへしなかつた。