しかし、さういふ思ひに駆られることからして、已に並ならぬ億劫な事柄でありますので、私はなるべく自発的に思惟を中絶して、靄だらけな昼寝を貪つたりすることが多かつたのです。
それに私は、なぜだか、今更ノコノコと白日の下に顔を曝すのが気羞かしく思はれてならない気持もあつたのです。
つまり彼等は――といつても、単に緋奈子や村の子供達に就てばかりではなく、いはば此の漁村全体の人と風景にわたつて――已にある種の密接な雰囲気がつくられてゐるのに、私だけ一人は其処にうらぶれたエトランヂェであるやうに考へられてならないからです。