もう悪夢にも退屈して、グショグショに濡れた朝稀に欠伸が出るくらゐ、キナ臭い首を捥いでヂッと凝視めてゐるとタラタラと、二三滴の透明な液体が、変に美くしく掌へ零れて落ちた。
昼は明るい、見渡せば水平線、真昼海が動いて静かに蒼空を吐き出してゐる。
僕も僕の湿り気を薄く真つ白い霧にして、静かに沖へ吐き出してしまふと、黴れた古い「昔」だけが、襤褸のやうにヒラヒラと、広い海風に戯れながら僕の顳顬に張り付いて残つた。
もう悪夢にも退屈して、グショグショに濡れた朝稀に欠伸が出るくらゐ、キナ臭い首を捥いでヂッと凝視めてゐるとタラタラと、二三滴の透明な液体が、変に美くしく掌へ零れて落ちた。
昼は明るい、見渡せば水平線、真昼海が動いて静かに蒼空を吐き出してゐる。
僕も僕の湿り気を薄く真つ白い霧にして、静かに沖へ吐き出してしまふと、黴れた古い「昔」だけが、襤褸のやうにヒラヒラと、広い海風に戯れながら僕の顳顬に張り付いて残つた。