昼は明るい、見渡せば水平線、真昼海が動いて静かに蒼空を吐き出してゐる。
僕も僕の湿り気を薄く真つ白い霧にして、静かに沖へ吐き出してしまふと、黴れた古い「昔」だけが、襤褸のやうにヒラヒラと、広い海風に戯れながら僕の顳顬に張り付いて残つた。
「昔」を負うて孤独の路を喘いでゐる僕は乾涸らびた朽木のやうな侘びしさに溺れてしまふ。
昼は明るい、見渡せば水平線、真昼海が動いて静かに蒼空を吐き出してゐる。
僕も僕の湿り気を薄く真つ白い霧にして、静かに沖へ吐き出してしまふと、黴れた古い「昔」だけが、襤褸のやうにヒラヒラと、広い海風に戯れながら僕の顳顬に張り付いて残つた。
「昔」を負うて孤独の路を喘いでゐる僕は乾涸らびた朽木のやうな侘びしさに溺れてしまふ。