坂口安吾 『海の霧』 「アアアアア……」 僕達は、やうやくホッと息をして、表情の死んだ、板のやうな顔を見合はす、その顔を、二人は直ぐに逸らし合ふ、逸らす目の緩く流れた抛物線には、縹渺とした海の遠さが薄く一杯。 二人は下の波を見る、波を伝ひに、だんだん遠い沖へ目をやる。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア