そして、自分の唇を食べるやうに劇しく噛み、睡つた通りを一目散に走つてゐたら、並木道のズッと先で、しつきりなしにパラパラと花火のやうな流星が降りそそいでゐた。
性来飽くまで戦闘的な趣味を持つたミミ夫人と博士との結婚に就ては、全てが博士の責任であつて僕の憎まれる筋はない。
況んや博士を誘惑し平和なる団欒を破壊するところの蒼白き妖精と呼ばるるに至つては――思ひ当る節も無いことは無い、が、公明正大な判断によれば、全ては僕の類ひ稀な「良き意志」から割り出された結果であつて、たまたま過つて毒薬を調合した医者の立場に過ぎないのだ。