そして博士は握り拳を大きく打ち振りながら合点合点合点と慌ただしげに宙返りを打ち初めたのであつたが、見る見るうちに速力を増し、やがて凄じい唸りを生じて部屋の四方に激しい煽りを吹き上げたかと思ふと、殆んどプロペラのやうに目にも留まらぬ快速力で廻転してゐたのであつた。
「オオオ、オレの魂を貸してやる!
余りの激しさに気を取られて、此の時までは流石に言葉も挿しはさめずに傍観してゐた一団の酔つ払ひは、突然一度に湧きあがつて「タタ魂を……」と絶叫しながら一様に霓博士の煽りを喰ひ、これらも亦プロペラのやうに廻転しはぢめたのであつた。