高歯の足駄を庭先へ持ち出して、さも大儀げにそれを引きずる跫音である。
わづかに数歩行くうちに其の跫音は立ち止る。
破れた石垣に手を掛けて危険な枝や横棒なぞを払ふために工夫を凝らしてゐるのであらう、間もなく、其処も通過して、朽葉をガサガサと踏み分けながら、室の静かな奥へ消え去つてしまふ――
高歯の足駄を庭先へ持ち出して、さも大儀げにそれを引きずる跫音である。
わづかに数歩行くうちに其の跫音は立ち止る。
破れた石垣に手を掛けて危険な枝や横棒なぞを払ふために工夫を凝らしてゐるのであらう、間もなく、其処も通過して、朽葉をガサガサと踏み分けながら、室の静かな奥へ消え去つてしまふ――