破れた石垣に手を掛けて危険な枝や横棒なぞを払ふために工夫を凝らしてゐるのであらう、間もなく、其処も通過して、朽葉をガサガサと踏み分けながら、室の静かな奥へ消え去つてしまふ――
「……もう止しませんか、これ……」
ふと気がついて耳を澄ますと、ムウンと深い篁の奥の澱みが漂うてきた……
破れた石垣に手を掛けて危険な枝や横棒なぞを払ふために工夫を凝らしてゐるのであらう、間もなく、其処も通過して、朽葉をガサガサと踏み分けながら、室の静かな奥へ消え去つてしまふ――
「……もう止しませんか、これ……」
ふと気がついて耳を澄ますと、ムウンと深い篁の奥の澱みが漂うてきた……