およそ積極的に生活せんとするあらゆる意志と気力とを駄夫は已に記憶の中にも失つてゐた。
自分の生活を他人任せ成行任せに押し流して、玉楼の陰であれよし星空の下であれ許された限りの睡りを貪り、分ち与へられた食物に満足して――斯うして万端切羽詰まつた挙句の果に、幸ひにして死ぬことも無く思ひ掛けぬ生活力が浮かび出るなら、何といふ思ひまうけぬ悦びであらうか!
流されるだけ流されてやれ!
およそ積極的に生活せんとするあらゆる意志と気力とを駄夫は已に記憶の中にも失つてゐた。
自分の生活を他人任せ成行任せに押し流して、玉楼の陰であれよし星空の下であれ許された限りの睡りを貪り、分ち与へられた食物に満足して――斯うして万端切羽詰まつた挙句の果に、幸ひにして死ぬことも無く思ひ掛けぬ生活力が浮かび出るなら、何といふ思ひまうけぬ悦びであらうか!
流されるだけ流されてやれ!