坂口安吾 『竹藪の家』 「それあ遮る物も見えない畑だもの、四ツ角から君の姿は丸見えなんだよ」 二人はなだらかな傾斜を降りはじめた。 遠い果から広々と野面を渡る長閑な風が送られてきて、足もとの穂を戦がす毎に、ムウンと鈍い昆虫の羽音が一しきり透明な中空へ湧き起つた。 坂口安吾の名言・名文を読む 用例を検索する → シェア