かと思ふと実に全く可笑しくて可笑しくて堪らない!
斯うして彼は尚も自棄くそとなつて同じ事を四五遍繰返してみたが、しまひには「笑ひ」といふ一種特別の形態を具へた生物が駄夫の胃嚢から分離して蒼空の下にフワフワ漂ひ乍ら、彼方へ飛び此方へ踊りベタベタと吸ひついたり、剥がれたり擦り抜けたりするやうな気がした。
ガッカリして持余して了つたら、何が何んだか知らないが凡そ思ひ当る全ての物を一緒くたに籠めたところの実に莫大な何物かを対象にして、遣切れない程切迫した無性に変テコな可笑しさが込み上げてきて、息苦しくて、駄夫は皆目見当を見失つて分解しさうな思ひがした。