駄夫が食事を終へるまでに、それでも矢張り老婦人は動かぬこともないのであつた。
暫くヂッと黙つたまま項垂れがちに何かと指先をクネクネと爪繰らせてゐたが、まるでテリヤ種の犬かのやうに、急にピタリと張り切つた顔を擡げてゐた。
なにか咄嗟な神経に弾かれでもしたやうに、そして又、長い夢からふと目を醒した人のやうにとぼけた顔にも見えたのである。
駄夫が食事を終へるまでに、それでも矢張り老婦人は動かぬこともないのであつた。
暫くヂッと黙つたまま項垂れがちに何かと指先をクネクネと爪繰らせてゐたが、まるでテリヤ種の犬かのやうに、急にピタリと張り切つた顔を擡げてゐた。
なにか咄嗟な神経に弾かれでもしたやうに、そして又、長い夢からふと目を醒した人のやうにとぼけた顔にも見えたのである。