ありたけの厚意を寄せて観察しても、この人が斯んな工合に捩れてくると、憎々しげな憎悪ばかりがこまかい神経の隅々にまで滲み出てゐて、心の裏の温かさがこればかしも感じられない。
あまり憎悪が激しいから大概はこちらの方も呑まれてしまひ、ただボンヤリと敵を罵る呪詛とのみ聞いてゐるうちは差支へもなかつたが、ふと気がついて、実子を呪ふ言葉也と反省する時には聞き苦しいものであつた。
それに、この人は斯んなふうに物語る時、何だか不断に相手を冷笑するやうな――変な工合に唇を歪めて、実に冷酷な犀利な顔付をしてゐる。
ありたけの厚意を寄せて観察しても、この人が斯んな工合に捩れてくると、憎々しげな憎悪ばかりがこまかい神経の隅々にまで滲み出てゐて、心の裏の温かさがこればかしも感じられない。
あまり憎悪が激しいから大概はこちらの方も呑まれてしまひ、ただボンヤリと敵を罵る呪詛とのみ聞いてゐるうちは差支へもなかつたが、ふと気がついて、実子を呪ふ言葉也と反省する時には聞き苦しいものであつた。
それに、この人は斯んなふうに物語る時、何だか不断に相手を冷笑するやうな――変な工合に唇を歪めて、実に冷酷な犀利な顔付をしてゐる。